苦味と甘味のバランスが絶妙な抹茶アイス
「ほろ苦さ」が肝!
甘いものがそれほど好きなわけでもないのに、どうにも気になる抹茶の菓子。
「チョコレートと同じ。苦味と香りが甘さをやわらげるので、甘いものが苦手でも、抹茶のお菓子を好きな人は意外と多いんです」と料理研究家の飯塚有紀子さん。納得のひと言だ。
抹茶菓子の魅力は、なんと言ってもほろ苦さと香り。それを生かすために、ぜひ日本茶専門店の抹茶を使おう。そして抹茶そのものはかなり苦いので、砂糖でしっかり甘味をつけることも重要。一口食べるとふわっと口の中で溶け、爽やかな香りと心地いい苦味が広がる。乳製品との相性がいいので、アイスクリームやババロアに入れると最高においしい。
そんな抹茶に夢中になる、冷たい菓子を教えていただいた。
- 抹茶の扱い 四カ条
- その一 日本茶専門店の抹茶を使う
製菓用の抹茶でもいいが、日本茶専門店の抹茶でつくってみよう。価格は手頃なものでも大丈夫。抹茶独特の苦味や味わいはもちろん、鮮やかな緑色と香りは別物である。
その二 使う前に、必ずふるう
抹茶は繊維が強いのでダマになりやすい。茶漉しでふるうことで 細かな粒状になり、よりなめらかな舌ざわりになる。このひと手間が、仕上がりを格段に上等にする。面倒だからと省くなかれ。
その三 ケチらず、欲張らず、分量通りに
抹茶は贅沢品だから色がつく程度にふりかければ……、なんて大きな間違い。だからといって多すぎると苦味ばかりが前面に出る。分量をきちんと量り、最高の香りと風味を引き出そう。
その四 砂糖とよく混ぜ合わせる
抹茶を水に溶かすには茶せんが便利だが、なくても大丈夫。あらかじめ砂糖と合わせることによって、抹茶が溶けやすい状態に。ダマになりにくく、菓子づくりがスムーズになる。
抹茶アイスのつくり方
材料 (4人分/12cm×18cm×高さ6cmの容器1個分)
抹茶 | 小さじ4 |
---|---|
グラニュー糖 | 60g |
牛乳 | 100ml |
粉ゼラチン | 5g |
卵黄 | 2個分 |
生クリーム | 200ml(乳脂肪分35%) |
★ メレンゲ | |
・ 卵白 | 2個分 |
・ グラニュー糖 | 50g |
1下準備
・卵は卵黄と卵白に分け、卵白はボウルごと冷蔵庫で冷やしておく。
・ゼラチンは、冷水25mlを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。
2抹茶とグラニュー糖を混ぜる
ボウルに抹茶とグラニュー糖を入れて泡立て器でよく混ぜる。
3牛乳を火にかける
小鍋に牛乳を入れて中火にかけ、沸騰直前で火を止め、ふやかしたゼラチンをちぎり入れて溶かす。
4牛乳と抹茶を混ぜる
3のゼラチンが完全に溶けたら、2のボウルに加え、泡立て器でよく混ぜる。
5卵黄を加える
卵黄を1個分ずつ加え、その都度よく混ぜ合わせる。
6生クリームを泡立てる
別のボウルに生クリームを入れ、氷水に当てながら、持ち上げても垂れずひとまとまりになるくらい、固く泡立てる。
7メレンゲをつくる
さらに別のボウルでメレンゲをつくる。卵白にグラニュー糖小さじ1ほど入れ、泡立て器で泡立てる。少量入れることで泡立ちやすくなる。約3分後、全体が白っぽく、ゆっくり垂れる固さになったら、残りのグラニュー糖を2回に分けて加え、約7分間、角がしっかり立つまで泡立てる。
8冷ます
5を氷水に当て、少しゼラチンが固まってふるふるっとするまで、冷やす。
9生クリームを加える
8に6の生クリームを半量ずつ加え、その都度泡立て器でよく混ぜ合わせる。2回に分けることで、混ぜやすくなる。
10メレンゲを加える
7のメレンゲを半量ずつ加え、その都度ゴムベラで泡を潰さないように、大きくあおるように混ぜる。
11仕上げ
満遍なく混ざったら、容器に流し入れ、冷凍庫で8時間ほど冷やし固める。器に盛りつけて完成。